MONTHLY ARCHIVE

2019.11.22

R-R&ベントレー・クラブ・オブ・ジャパンが横浜・赤レンガ倉庫で催した「ベントレー&ロールス・ロイス・ディ2019」から5日後となる、11月22日の朝。ワクイミュージアムには、19台の新旧ベントレーの姿がありました。ベントレー本社公認のオーナーズクラブ「ベントレー・ドライバーズクラブ(BDC)」の日本支部「ベントレー・ドライバーズクラブ・ジャパン(BDCJ)」により、ベントレー100周年記念のオフィシャル・ツーリングが行われることになったのです。

BDCは1936年に英国のベントレー愛好家によって立ち上げられ、ワンメイクとしては世界最古のオーナーズクラブと言われています。創成期のメンバーには、往年のベントレーボーイズやW.O.ベントレー本人も含まれていたそうです。そして今回のツーリングのテーマは、新旧のベントレー愛好家が集い、日本独自の文化や美しい景観を愛車とともに味わいつつ、ベントレー100周年を祝うというものです。

ワクイミュージアムからスタートし、日本の伝統的陶芸のコレクション、栃木・益子の「濱田庄司記念益子参考館」を見学したのち、益子から同じ栃木県の鹿沼市に至るカントリーロードをツーリング。鹿沼では、ベントレー愛好家でもある伝統的木工・建具業者の青柳家を訪ねました。そして、青柳氏のご子息が宇都宮市内に開いたフレンチレストラン「森のレストランAOYAGI」にて、1928年ル・マン24時間レース祝勝会のメニューを再現したフェアウェル・ディナーを味わうという、なんとも贅沢な一日を過ごしました。

当日はあいにくの冷たい雨に見舞われてしまいましたが、参加した「ベントレードライバーズ」たちはスタート前からディナー終了まで楽しげな表情に終始していたようです。ベントレー・モーターズ・ジャパンによって6月に開催された軽井沢ツーリング、11月のR-R&ベントレー・クラブ・オブ・ジャパン「ベントレー&ロールス・ロイス・ディ2019」と続いた日本における一連のベントレー100周年祝賀イベントは、このBDCJツーリングをもって大団円となりました。100年に一度だけのベントレー祭りは、わが国でも素晴らしいクライマックスを迎えることができたのです。


(写真/一段目中)ツーリングの先導車は、ベントレー・ジャパンのティム・マッキンレー社長が搭乗する、今年デビューしたばかりのコンチネンタルGTコンバーチブル。
(写真/一段目右)「冷たい雨も何のその!」とばかりに快走。陶芸の街・益子に、W.O.時代の傑作1928年型6¹/₂リッターが雄姿を見せる。
(写真/二段目左)益子では、ベントレー・ジャパン提供による日本蕎麦のランチが振舞われた。
(写真/二段目中)益子「濱田庄司記念 益子参考館」に到着。大正・昭和に活躍した陶芸家、濱田庄司は白洲次郎とも交流があったとのことで、参考館正門前に次郎の愛車3リッターを置いた。
(写真/二段目右)濱田庄司の孫で、当代一流の陶芸家としても知られる参考館館長、濱田友緒さんが、BDCJ一行のために解説を担当してくれた。
(写真/三段目左)鹿沼・青柳家の庭園は、美しく紅葉。新型コンチネンタルGTコンバーチブルと、素晴らしいコンビネーションを見せた。
(写真/三段目中)1927年ル・マンの祝勝パーティ会場となったサヴォイ・ホテルに、優勝車3リッターを持ち込んだ故事に倣って、「森のレストランAOYAGI」には1928年優勝車の「オールド・マザー・ガン」を展示。
(写真/三段目右)各テーブルには、1928年ル・マン祝勝会メニューの複製をセット。前菜からメイン・デザートに至るまで、パリ「オテル・リッツ」で修行した青柳シェフが1928年当時のメニューをアレンジした、文化的・学術的にも意義深いディナーを供した。

2019.11.15

・伝統あるV8エンジンの誕生から60年という記念イヤー
・現在生産されているV8の中で最も長い歴史を誇る名作エンジン
・1959年、直列6気筒に代わるエンジンとしてBentley S2に初搭載
・これまで23のBentleyモデルに搭載、現行MulsanneのエンジンもV8
・Mulsanne SpeedのV8ツインターボは537PS、1100Nmを発揮

Bentleyが誇るV8エンジンは現在生産されているV8エンジンの中で最も長い歴史を誇り、誕生から60周年を迎えました。

1959年、S2モデルに初搭載されて以来、その魅力は色褪せることなく、現行のMulsanneラグジュアリーリムジンにもその流れを受け継ぐV8エンジンが搭載されています。

V8エンジンは、これまで23のBentleyモデルに使用されてきました。時代と共に進化を遂げ、1959年から今日までに35,898基が生産されてきたことが、このエンジンに対する評価の高さを物語っています。最新の6¾リッターV8ツインターボは、設計、エンジニアリング、ハンドビルドのすべてが英国クルーで行われ、熟練技術者の手で15時間かけて仕上げられています。S2モデルに搭載された初代V8は、数十年の間に隅々まで改良が施されてきましたが、V8の象徴である基本的な構造とサイズは60年経った今も当時のままです。

Bentley Motorsのエンジニアリング責任者、ヴェルナー・ティーツはこうコメントしています。「初代V8はパフォーマンスの大幅なステップアップに加え、スムーズさ、信頼性、洗練性の向上を目指して設計されました。過酷を極めた試験は数十万マイル以上に及び、500時間のフルスロットル試験も行われました。その精神はBentleyが誇る6¾リッターV8にしっかりと受け継がれ、現行Mulsanneの成功を支えています」

6¾リッターV8はBentleyの象徴ともいえる「トルクの波」をもたらし、ストレスを微塵も感じさせないパフォーマンス、傑出した洗練性、際立つ効率性を実現しています。過去60年にわたり、すべてのフラッグシップに搭載されてきたV8は、今もその鼓動を響かせています。

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